【教育DX 台湾の事例】日本も驚きの現状を紹介

今回の記事では、台湾の教育DXの現状及び実例をご紹介し、日本の教育DX促進に必要な対策を提案いたします。

こんにちは、Kdanライターの津山です。

コロナウイルス拡大により世界中で学校教育のDX化が加速しています。日本でも2019年文部科学省が提唱した「GIGAスクール構想」の下、急ピッチで教育DXが進んでいますが、コロナ禍ではオンライン授業の整備が間に合わず大量のプリントが配られる事態が発生しています。

そんな中アジアの中でも早い段階から教育DXに取り組み、コロナ渦でも教育DXをスムーズに実施できた国があります。それが台湾です!

台湾では政府主導でオンライン学習システムを整備しているのはもちろん、台湾の天才デジタル担当大臣のオードリー・タンも自ら教育DXを推進する活動を行なっています。

そこで今回は、まず日本の教育DXの現状と課題を取り上げます。次に台湾の教育DXの現状及び実例をご紹介し、日本の教育DX促進に何が必要か提案したいと思います。

日本と台湾の学習環境やネット環境は似ている部分が多く、台湾が行っている取り組みは今後の日本の教育DXにも非常に参考になります。日本の教育関係者の皆様は必見の内容です!

日本の教育DX化の現状

日本の教育

現在、日本政府は教育DXを進めようと焦っています。それはなぜかというと、実は日本は教育DX分野では先進国の中でかなり遅れているからです!具体的には以下のような問題があります。

  • 学校のICT環境整備状況は脆弱かつ危機的な状況(平成31年で平均5人に1台)
  • 学校の授業におけるデジタル機器の使用時間はOECD加盟国で最下位

このような状況下で、日本政府は2019年12月、子供たちと教師の力を最大限に発揮できる教育ICT環境の実現を目指すGIGAスクール構想を発表しました。

GIGAスクール構想の要点は、生徒1人1台のIT端末提供を実現し、それをベースに学校のデジタル教育を充実させることです。政府が掲げる目標の一部を紹介します。

  • 学校運営に必要な情報の一元管理
  • リモートでのオンライン教育の推進
  • デジタル教科書やオンライン教育システムの整備
  • ICT(情報通信技術)を扱える教師の育成

しかし結局、新型コロナが発生した時はこれらの対応が間に合わず、休校の時は大量のプリントを配っただけという結果になった学校も見られました。

なお日本の授業で実際に始まっている教育DXのトレンドについてはこちらの記事を参考にしてください。

チャットボットを活用したリアルタイムでの応答やモバイルアプリを活用して密を避ける教育DXをご紹介しています。

2021年の教育改革とは?教育DXを加速させる4つのトレンド徹底解説

台湾の教育DX化の現状

台湾

では日本の状況に対して、台湾の状況はどうでしょうか?実は台湾でも2021年の5月から新型コロナの深刻化で休校が発生しましたが、この時は完全オンライン授業に切り替わりました。

台湾の教育部(教育省)の配慮で、小中高生については、自宅にデジタル学習設備がない場合、学校から借りることができました。またYoutubeで小中高生向けの在宅学習支援チャンネル「因材網数位学習資源」を設定し、オンライン学習教材を無料公開しました。

これは日本の状況から見るとかなり教育DXが進んでいますよね!このようにスムーズに動けたのも、台湾政府が早くから教育DXの重要性を理解し、日本政府がGIGAスクール構想で掲げたような課題に取り組んできたためと考えられます。

他にも台湾は、農村部の子どもたちの脆弱なネット環境を解決するため、政府主導で辺境地のデジタル教育を強化しています(邁向數位平權推動計畫)。

また政府と民間が協力して、誰もがあらゆる場所で学習できる因材網PagamOと呼ばれるオンライン学習教材の整備も行なっています。そこで次に因材網やPagamOなどがどのように活用されているか紹介したいと思います。

台湾の教育DXの実例

台湾の教育DXの事例を3つ紹介します。

RAY 4.0(Rescue Action by Youth .gov 2020)

RAY4.0

まず最初は、日本でも大人気の台湾デジタル担当大臣オードリー・タンが主導している学生のインターンシップ・プログラムです。

もちろん、ただのインターンシップではありません!台湾政府がデジタルに精通した学生たちを募集し、なんと実際に政府関係のwebシステムの問題点の改善に関わってもらうという、非常に画期的なインターンです。

この取り組みは2017年に第一回が始まり、2020年で第4回目を迎えた大人気のプログラムです。インターンシップに選ばれた学生は、ユーザーリサーチを通じたインタビュー、分析、議論、アイデアの創出というプロセスを通じて、官公庁のwebシステム改善の提案をします。

実際に、学生たちの提案により、台湾政府の仕事の利便性改善や、市立病院の予約システムの改修などが行われました。

日本でもコロナを機に行政手続きのデジタル化を進めていますが、使いにくいシステムはまだまだ多いのではないでしょうか?オードリー・タンは、その不便さを学生たちのデジタル教育の場として活用しました。これは政府にとっても新しい発見があり、学生にとっても非常に刺激的な取り組みです。

ちなみにオードリー・タンは、教育DXの促進には若者自身に関与してもらうことが最も重要と考えているそうです。この姿勢は、今後の日本の教育DX推進でも、是非参考にしていただきたいと思います!

因材網

因材網

因材網は2017年に台湾の教育部が設立した教育プラットフォームです。小中学校の英語、数学、国語、理科の4科目のオンライン授業やオンライン学習教材を提供しています。

オンライン学習教材というと、日本政府も文部科学省が学習支援コンテンツポータルサイトを提供していますが、因材網はそのもっと先をいくプラットフォームです。

因材網は、台湾で新型コロナが本格化した時、Youtubeのチャンネル「因材網数位学習資源」で多くの無料動画教材を公開しました。しかし因材網はただの動画配信サービスではありません!

因材網には因材網だけで見られる教材があり、こちらは動画中に質問が出てきて、生徒が答えられないと動画が継続して再生されない特殊な設計になってたりします。これは生徒の苦手箇所を見つけるのに役立ちます。

また教師も生徒の学習データを参考に問題点を探し出し、生徒ごとに最適な学習プランを作成することができます。台湾の全国テストによると、因材網を利用している学生の成績が20%も高くなるという結果も出ています!

これは日本がGIGAスクール構想の中で目指す「学校・家庭において学習・アセスメントができるオンライン学習システムの実現」にすでにかなり近いと言えます。台湾の教育DXがいかに進んでいるかよくわかる事例です。

PaGamO

pagamo

そして最後は、台湾の民間企業が作成したオンライン学習プラットフォーム「PaGamO」を紹介します。

PaGamOは台湾大学の葉丙成教授が2014年に作ったスタートアップBoniOが生み出した、世界的に有名な学習プラットフォームです。社名は「Help you learn」の台湾語の発音に由来しています。

小中学生のオンライン学習の悩みに「集中力が続かないこと」が挙げられますが、このPaGamOはゲームをプレイしながら学習できるため飽きる心配がありません!子供のゲーム好きを上手に利用して、学習へのモチベーションを高めることに成功しました。

ですがPaGamOの特徴は、ただ学習コンテンツとオンラインゲームを組み合わせただけではありません。プレイした生徒のデータは自動で分析され、教師が生徒の苦手分野を正確に把握できるようになっており、生徒のレベルに応じた教育プラン作成をサポートしてくれます。

PaGamOの全ての機能を使うには有料会員登録が必要ですが、無料の教材も豊富に提供しており、これまで台湾の100万人以上の学生がPaGamOを利用してきたそうです。

PaGamOは現在、台湾、中国、香港、マレーシア、米国でサービスを提供しています。日本にまだ未進出なのが大変残念ですが、日本でもPaGamOのようなサービスを取り入れることで教育DXの促進が期待できます。

日本で教育DXを進めるためには、今後は台湾のように政府が率先して政策を作りプラットフォームを整えるのはもちろん、積極的に学生を巻き込んで活動していくことが重要と考えます!

教育機関のDX化には「DottedSign (ドットサイン)

Dottedsign

最後に今、日本の教育機関の4分の1がDX化のために必要だと考えているツールを紹介します。それが電子サイン・電子署名です。

参考:アスクル/「ITツール導入」調査発表、導入希望は電子サインなどがトップ

日本政府のGIGAスクール構想内でも掲げているように、教育DXの推進には教育機関のデジタル化が不可欠です。

すでに日本の有名大学でも雇用契約書をはじめとしたバックオフィスの処理に電子サインを導入しており、今後は入学手続きや健康診断などでも広く電子署名が使われていくと考えられます。

ただし導入の問題になるのが費用・ツールへの理解度が低い・活用できるか不安という声です。そこで、この問題を解消したのが、電子サイン・ワークフロー管理システム「DottedSign」です!

Dottedsign

Dotted Signは教育DXが進む台湾の企業「Kdan Mobile」が開発しました!柔軟なサブスクリプション体系で個人・スタートアップから大企業までリーズナブルに使える上、ユーザビリティにこだわり誰もが直感的に操作できるため、ツールが複雑で使えないという不安も解消しています。

またDotted Signで作成・締結された書類は、デバイスを選ばずアクセスでき、クラウドで一元管理できるため利便性が非常に高いです!また書類のワークフロー管理もできるので、リモート化が進む教育現場でも活躍すること間違いなしです。

教育機関で気になるのがセキュリティ対策ですが、DottedSignでは世界最高レベルの AATL 認証局と連携しているため全く問題ありません!また書類の変更履歴は全てトラッキングされるため、監査や税務調査の確証としても有効です。


現在DottedSign は14日の無料トライアルを実施しています!教育DXを促進したい教育機関の皆様、ぜひこちらからお試しください。

執筆者

一橋大学経済学部卒業。大学在学中は労働統計学を専攻、統計データを活用した労働市場の最適化を研究。日本の某大手メーカーで11年勤務、うち2年は台湾駐在。現在は台湾にあるデジタルマーケティングの会社に勤務。

電子署名ならDottedSign

無料で3タスクまでお試しいただけます!

今すぐ試す

もっと見る