【なくなる印鑑と広がる電子署名】コロナ後のハンコの扱い

こんにちは、Kdanライターの佐藤です!

今日は、表題のとおり、度々無くなる印鑑から、電子署名へ移行が進んでいるというお話をします。

2020年、政府が発表した「脱ハンコ」への推進に関するニュースは記憶に新しいですね。今後は、行政手続きで必要な 99% の押印が廃止される方針が宣言されています。

参考記事:「脱はんこ」関連法案が衆院通過 99%超の押印廃止

しかしながら、未だ多くの企業が、

「うちは、まだまだ印鑑を使ってるよ。脱ハンコって言われても…」という状態なのではないでしょうか?

しかしそうは言っても時は待ってくれません。印鑑という文化がなくなることはありませんが、ビジネスシーンにおける印鑑の役割は今後変わるでしょう。

そこで、今回このブログでは、まずこれまで印鑑が使われてきた背景から印鑑がどうビジネスシーンに浸透し、印鑑がどのようにして法的な効力を得たか説明します。なぜなら歴史を辿ると契約等の法的な効力は「印鑑」がなくてもいい事がわかるためです。

次に、コロナウイルスと電子署名の台頭、世界の電子署名や法的効力についてお話ししていきます。

  • 度々なくなる印鑑の煩わしさから解放されたい
  • 在宅勤務が進む中、電子署名の導入を検討したい
  • 世界的な電子化の流れに対応したい

そんな方に有益なお話になるかと思います。

では早速いきましょう!

印鑑が使われてきた背景 – 印鑑の習慣

印鑑は中国から伝わってきたと言われています。大昔では一部の有力者のみが使用していました。しかし様々な商取引において、印鑑の利便性から、江戸時代ごろまでには庶民にも浸透していきました。

印鑑が本格的に普及したのは明治時代です。1873年(明治6年)の「太政官布告」にて、「証明書には必ず実印を用意なければならない」と定められました。また、この時に日本政府は国民の実態を把握するために国民に「名前」を登録するように義務付けました。

興味深いのは、多くの国民は名前の登録するのを躊躇した点です。

理由はなぜだか分かりますか?

それは一般庶民の多くが名前を登録することで身分がバレて新たに課税されるんじゃないかと心配したためと言われています。

“ちなみに「名前」は江戸時代までは特権階級のものだったので、この時代にはそもそも名字を持っていなかった人も多かったようです。”

そこで政府は名字の使用と登録を義務付けました。名字を持っていない人は地名や地形、職業を基に名字を作りました。

また、政府は違う名字を複数登録することを禁じました。そのため、一度登録した名字の変更は禁止になりました。この時に実印も同時に普及しました。

つまり話をまとめると、印鑑は中国から伝わったものの、本格的に普及したのは明治時代で理由は署名だけでは本当に本人の署名かわからなかったためです。

参考記事:日本の印鑑の歴史
参考記事:判子の歴史について

印鑑の法的な効力

話を明治から約150年経った現代に戻します。明治時代は印鑑は自分自身の署名を証明するために必要でした。なぜなら当時の技術では署名を書いた者を識別する術がなかったためです。

しかし現代は違います。

現在は民訴法第228条4項によって印鑑の法的な効力が認められている一方、一部の契約書は印鑑をわざわざ押さなくても契約をする双方が合意した証拠があれば、十分法的な効力があります。

参考記事:日本経済新聞
参考記事:押印手続きの見直しに向けた取り組み 内閣府

一部、「遺言」などは、法律で「押印が必要」と規定されており、日付や名前を自書し、遺言者本人が押印をすることで、その効力が発生します。この点はハンコがなくならない理由の一つですが、時代に合わせ今後、改善されていくでしょう。

参考記事:ハンコがなくならない場面

ただ日本の民法では、522条に規定されている通り、契約の成立には法律の定めがある場合を除いて、書面や印鑑等は必須ではありません。要は「口約束」でもOKということです。

ルール上は署名だけで有効な契約書や書類に対しても、印鑑登録された実印、もしくは認印を使用することが慣例となっていたり、そこに安心感があることで使い続けていたりしているのが実情でしょう。

参考:民法

コロナ禍においてリモートワークを推進しながらも、押印のためだけに出社するニュースが話題になりました。これは結論から言うと非合理的で、「合意した」という証拠さえあれば問題ありません。

ではどうすれば、この問題を解決できるでしょうか?

答えは電子署名サービスの利用です。
日本でも2001年に電子署名法が成立し、法的要件を満たした電子署名であれば文書の法的効力が確実に守られることが明記されています。

電子署名とは、公開鍵暗号方式と呼ばれる技術を用いた文書の暗号化を指します。

電子署名を利用することで相手の確認、なりすましの防止、改ざんの防止が行えるので法律対策としてもバッチリです。

ちなみに印鑑の文化がない海外では、電子署名は当たり前のように使われコロナウイルスの影響後は急速に広がっています。

そこで次に、海外の電子署名の動きもみていきましょう!

コロナウイルスと電子署名の台頭 – 世界の電子署名

海外で電子署名の市場が一番大きい国は、アメリカです。

2030年までにその市場規模は、24.61億ドル(約2608億円)に拡大していくと予想されています。

アメリカやカナダは移民が多く、申請書類や承認をよりスムーズに行うため、書類を電子化し、申請者や承認者の署名も電子化が進んでいます。

法律の整備も進んでいて、アメリカでは、2000年に制定されたESIGN法(Electronic Signatures in Global and National Commerce)という法律で、電子署名の法的な効力が保証されています。

これは50の州全てで法的な効力があります。

また、日本と同様にハンコ文化が残る台湾では、蔡政権が2025年までに、台湾をデジタル国家にするプランを立ち上げており、台湾IT大臣オードリー・タンの下、電子化は加速していくでしょう。

台湾では電子署名は法律的にも問題なく、2001年に成立した電子署名法第9条第1項の規定により、署名または印鑑の使用が法律で定められている場合において、双方の合意があれば電子署名での取引が可能とされています。

そのため、現在台湾では医療機関においても、電子カルテや電子署名の管理システムなどの導入が検討されています。

また世界的に、アジアは現在最も早い勢いで電子署名の市場が拡大しています。
参考記事:経済産業省 (P.83 海外におけるデジタル導入事例 (台湾))

まとめ

今回は、日本で印鑑が使われてきた背景から、世界的な電子署名への流れや法的効力についてお話しました。

印鑑が完全になくなることはありません。しかし、リモートワークに限らず、社内や社外の業務効率化やスリム化、スピード感のあるビジネスを考える上でも、電子署名への動きは無視することはできないですし、この動きはより加速していくことは間違いありません。

私が以前勤めていた会社では10年前わざわざ広大な倉庫を借りて、品質管理の基準のために大量の紙を箱詰めにして保存していました。このコストと書類を電子化するコストを比べればどちらが合理的かは一目瞭然です。

このブログでは最後に電子署名を試してみたいという方に、Kdanのクラウド型電子署名サービス「DottedSign (ドットサイン)」をご紹介したいと思います。

ドットサインを提供する Kdan Mobile は2021年の10月に世界中から17億円の資金を調達した台湾で話題のスタートアップです。

世界167カ国でサービスを展開しており、世界で2億ダウンロード、延べ1,000万人以上のユーザーを抱えています。そんな Kdan Mobile が開発したドットサインは「世界基準」の電子署名ということです。

日本語はもちろん、繁体字と英語にも対応しており、台湾では「點點簽」の名前で急速に導入が広がっています。

契約書の電子化の流れに加え、もう一つ確実に進むのが日本市場の縮小です。今後台湾を含む海外への展開を考えている方は、この機会に世界基準の電子署名サービスをリーズナブルに提供するドットサインの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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applemint 代表。台湾でデジタルマーケティングの会社を起業。換日線へのコラムや各種メディアに記事を寄稿。デジタルマーケティング業務の他、執筆活動を精力的に行う。https://www.applemint.tech/

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