台湾の医療DXが想像の数倍進んでいる話

こんにちは Kdan のライターの佐藤です。

突然ですが、皆さんは台湾の医療が国際的に非常に評価されていることはご存知ですか?2019年の International Health Care Index (国際医療指数)の調査によると台湾の医療はアジアでNo.1 です。

そんな台湾は医療のDXが非常に進んでいる事でも有名です。マスク不足が深刻になった2020年、台湾のデジタル大臣オードリータン氏がマスクの実名制販売用のアプリを開発し、マスク不足を解消した話は有名な話です

ちなみに私は最近台湾の医療DX化がとても進んでいる事を目の当たりにする出来事がありました。

先日私は肩こりがひどくなったので台北市内の総合病院に行き、その後医師のアドバイスにより家の近くのクリニックでリハビリを行うことになりました。このクリニックは初めての訪問だったので、また一から診察を受けるのかと思いきや、クリニックの先生はクラウド上にある私のレントゲンやMRI の写真を見てどんなリハビリをするべきかすぐに判断しました。

この時私は台湾では病院が連携して患者のデータをクラウド上で共有している事を初めて知りました。とても効率的で素晴らしい仕組みだと思いました。これが成せるのは台湾国民の99.9%が持っていると言われる健保卡のおかげです。台湾では健保卡に全ての病歴が集約されています。

今回のブログでは台湾の医療DXについての概要や、台湾医療 DXの鍵とも言える健保卡のお話、台湾のコロナ渦の医療DXについてお話をしたいと思います。

今台湾の医療DXが注目されています!

【台湾の医療DX化の理由】台湾に迫る危機

台湾に迫る危機

冒頭で台湾の医療DXがとても進んでいるというお話をしましたが、その理由の一つに高齢化社会があります。台湾は2026年には高齢化社会に突入すると言われていて、人口の20%が65歳以上になると言われています

高齢化に伴い医療費が増加し、このまま何もしなければ国民健康保険基金は2年以内に取り返しがつかない赤字になると言われています。以下は2021年最新の台湾の歳入と歳出の表になります。

高齢化 医療費
参考:110年度中央政府總預算案

上記の歳入の合計と歳出の合計を比べると、2021年度は歳出が歳入を5%ほど上回っています。歳出は特に国防費と社会福利の増加が顕著です。

また歳入の主な収入は税金です。税金を上げて歳入を増やしたい所ですが、そうすると国民の反発が必至なため、税金からの急な収入UP今後難しいと予測されます。そうすると大事なのは年々増える社会福祉への支出を如何に下げるかが課題になります。台湾はテクノロジー及びデジタルを活用して効率化によるコストダウンを狙っているのです。

その実現の鍵を握るのが国民健康保険通称「健保卡」です。これについてお話をしたいと思います。

台湾医療DXの鍵:全民健康保険 (国民健康保険)

台湾 クラウド化
(筆者の健保卡)

日本ではマイナンバーに個人のデータを集約して税金の手続きや役所の手続きを簡素化する動きが出ています。台湾では全民健康保険カード(通称:健保卡) に個人の病歴が全て記録され、管理されています。

この健保卡は2004年に導入され、現在では外国人居住者も含め国民の99%の人が持っています。通常の西洋医療だけでなく、鍼や漢方といった中国医学、歯医者の診断履歴まで記録されています。この健保卡の仕組みが特に有効だったのは2020年にマスクが実名販売された時です。

健保卡を管理する中央健康保険署が国民のマスク購入履歴を管理し、この情報が全国の薬局の端末で共有されました。これにより個人の爆買いや二重購買を防ぐ事ができ、マスクが安定的に全国民に行き渡りました。

参考:台湾コロナ対策で判った台湾のデジタル健康保険制度の凄さ

また、健保卡に記録された医療情報は病院が共有しているため、重複処方や重複診断を避けることも出来ます。これにより冒頭でお話ししたように二重診断が避けられ、私がクリニックを訪問した際、医師の診察時間は1-2分ほどですみました。

ちなみに病歴を共有している病院の名前は全てオンラインで公開されています。

コロナウイルスと医療DX

コロナウイルスと台湾

コロナ渦の台湾医療のDXはマスク購入と健保卡の連携に止まりません。台湾総合病院の長庚醫院ではコロナウイルス拡大に伴いビデオ外来をはじめました。
参考:因應COVID-19疫情,本院提供視訊門診服務

また、病院は With コロナの時代に合わせて患者の病院往来を減らす努力のみならず、スタッフの病院の往来を減らす努力も始まっています。特に重要なのがペーパーレス化です。旧来の病院はカルテから処方箋、予約票、検査結果など印刷物が多かったことが課題でした。例えば日本ではクリニックによっては入り口にスタッフが待機し、症状に合わせて予約券を発券する事があります。

台北にある馬偕病院では、自分の症状に合わせて、行きたい科へ直接赴き健保卡を機械にさして順番を待つだけです。予約票や整理券の発行はありません。また、台中にある臺中榮民總醫はいち早く電子カルテの導入や医療用画像の電子化を進め、2019年には電子署名管理システムを導入しました。

この病院では iPad を導入し、特殊な薬剤や治療に対する同意書を患者さんに電子署名でお願いし全て電子管理しています。患者さんが同意者のコピーを必要とした場合はメールでそのままコピーを送っています。印刷する事はありません。これにより病院と患者さんの紙を使った接触を防ぐだけでなく、資料を保管するスペースもなくなりコストダウンに繋がります。

コロナウイルスは今後完全に消滅する事はおそらくないでしょう。With コロナの時代に大事なのはデジタルを活用した非接触で効率的な病院の運用だと思います。

台湾で急成長する電子署名

DottedSign

今後 Withコロナの時代では、前章で挙げた病院以外にも更に多くの病院が電子署名を使い医療のDX化を加速する事が考えられます。また、この医療DX化及び電子署名の流れはビジネスシーンにもすぐに浸透すると思っています。

台湾では2021年5月中旬、コロナウイルスの感染者数が急増し、多くの企業はリモートワークを余儀なくされました。

この時に一番厄介だったのが、「署名」です。私の会社ではリモートワーク中に2社との契約が成立し、捺印のためだけに会社に通勤する事態が起きました。また、リモートワーク中にスタッフが離職し、在籍証明書の発行が必要となった際も、印鑑のためだけに通勤しました。これらは非常に非効率です。

しかし、そんな中 DottedSign の電子署名を用いて契約を交わした会社もありました。この時最高だったのが、通勤をしなくてよかった事とスピードです。電子署名を使って契約を交わした会社とは署名後すぐにプロジェクトを始める事ができました。

電子署名は今確実に注目されていて、その中でも特にご紹介したいのが DottedSign です。台湾の IT スタートアップが開発した電子署名のサービスです。最初は電子署名に億劫だった私が断言します。ものすごく使いやすいです。

その理由は、機能が限られていてとても見やすいからです。例えば以下は DottedSign にログインした後の画面です。『ドキュメント』と書かれたアイコンをクリックすれば署名すべき書類が全て出てきます。署名の作業も簡単で、予め登録した署名をコピペするだけです。

DottedSign Web

電子署名のサービスの中には、「これ必要か?」と思うほど色んな機能を詰め込んだサービスもあります。残念ながら過剰なサービスは操作を難しくし、余計にストレスを与えるだけです。その点、DottedSign は驚くほどシンプルです。

また信頼性の面においてもTLS / SSL、AES-256、RSA- 2048の暗号化を導入しており、セキュリティの面でも安心です。DottedSignはAdobeの承認済み信頼リスト(AATL)に登録されており、日本・台湾だけでなく、世界中のほとんどの先進国で法的な効力と法的拘束力を持ちます。

ちなみに現在 DottedSignでは14日間のトライアルを実施しております。まずは使ってみてください!使えばわかります。

以上台湾から台湾の医療DXについてでした!

applemint 代表。台湾でデジタルマーケティングの会社を起業。換日線へのコラムや各種メディアに記事を寄稿。デジタルマーケティング業務の他、執筆活動を精力的に行う。https://www.applemint.tech/

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